すーさんブログ

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やけどの種類と治療法の基礎

わたしたちは暮らしの中で毎日のように"あつい"と感じることがあります。「お湯が熱い。お風呂が熱い。鍋が熱い。気温が暑い」など。"熱い"と"暑い"はどちらも温度が関係しますがやけどに関係するのは"熱い"だけです。英語ではどちらも"HOT"で対応できますが。日本語は漢字が難しいですね。
「やけど」といっても皮膚のどの部分まで障害が及んでいるかで分類されています。やけどの基礎知識についてまとめました。

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熱を感じる皮膚と温度

ヒトの皮膚には皮膚感覚を感じるセンサーである痛点・圧点・冷点・温点があります。これらのセンサーはそれぞれ痛み・圧力・冷たい・熱いを瞬時に感じることができます。センサーの数は痛点が一番多く、温点が一番少なくなっています。
熱さを感じる温度は個人個人の体温によって若干の違いがあるので正確にはわかりません。38℃の熱がある人と36℃の平熱の人では熱いと感じる温度が違ってきます。
しかし45℃以上のものが皮膚に触れると、皮膚の組織(タンパク質)が破壊されて熱痛が生じ次第にやけどが発生します。
ちなみに熱さも冷たさも感じない温度は33℃前後であり、無感温度といいます。

やけどの種類と重症度

やけどには皮膚の損傷の深さによって深達度分類が存在します。

  1. Ⅰ度熱傷
    皮膚の最も上部である表皮だけが損傷を受けた状態です。
    皮膚が赤くなり、熱感、ひりひりした痛みがある。水ぶくれはない。日焼けで皮がめくれた状態や軽度のやけどが当てはまります。
  2. 浅達性Ⅱ度熱傷
    表皮に加えてその下の真皮にまで障害が及んでいる状態で、水ぶくれができます。
    真皮の浅い部分までのやけどで瘢痕を残さないで治癒しますが、色素沈着や色素脱色が残ります。
  3. 深達性Ⅱ度熱傷
    表皮に加えてその下の真皮にまで障害が及んでいる状態で、水ぶくれができます。
    真皮の深い部分までのやけどで、瘢痕はケロイドや肥厚性瘢痕となって残ります。やけど時に障害部の感覚が鈍いなどの症状がでます。
  4. Ⅲ度熱傷
    真皮すべてに損傷を受け、さらに皮下組織にまで障害が及んでいる状態です。
    創面は蒼白く乾燥し、水ぶくれや痛みはありません。

やけど時の対処法

やけどの受傷範囲が狭い場合、最初に20分程流水で冷やして洗います。患部には触れずに清潔なタオル等で包んで医療機関へ搬送します。洋服を着ている状態でやけどをした場合、無理に服を脱がすと水ぶくれが破れて悪化するので服の上から水道水で冷やす方が良いようです。やけどの受傷範囲が広い場合、同じように患部を流水で流しますが冷やしすぎると体温が低くなりすぎてしまうので注意が必要です。
やけどのときにアロエ等を塗って治すことはあまりおすすめできません。傷口から細菌が入って化膿してしまう危険性があります。

低温やけどに注意

低温やけどは見た目は軽症にみえるやけどですが、料理にもあるように低温で真皮の深い部分までじわじわやけどによるダメージが広がっていきます。放っておいたら重症化してしまうので、使い捨てカイロなどで低温やけどに気づいたらすぐに病院を受診することをおすすめします。
寒い時期になるとよく使い捨てカイロを使いますが、「カイロの上から圧迫する」「こたつやヒーターなどの暖房器具とカイロを併用する」などの誤った使い方をすると低温やけどを引き起こす可能性があるので注意が必要です。

知覚鈍麻の人、糖尿病の人はやけどにご注意

熱さの感覚が鈍かったり、感じない人は日常生活の上でやけどに注意を配らなければいけません。キッチンには熱せられたフライパンなどやけどの危険がたくさんあります。冬はこたつやストーブでやけどをする可能性がありますが、夏にも太陽光によって熱せられた金属製品や屋外の水道水、アスファルトや砂等の地面など意外なものが熱くなっています。
糖尿病の患者さんは抹消の知覚が鈍くなっている人がいます。身の回りに糖尿病の患者さんがいる場合、湯呑の熱さがわからないかもしれないと思って接してあげることが大切になってきます。

まとめ

やけどは誰でもいちどは体験したことがある外傷だと思います。やけどをするとパニックになって焦ってしまいがちですが、落ち着いてまず冷やすことが重要ですね。治療が遅れると治癒までに時間がかかったり跡に残ったりするので、早期に病院へ行くことが一番良いと思います。