すーさんブログ

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秋から冬に流行する食中毒(ノロウイルス)の対処法

食中毒の分類は細菌性非細菌性(ウイルスによる)、化学性(有害な化学物質による)、自然毒の4つがありすべての食中毒の共通の症状として発熱・嘔吐・腹痛・下痢があります。食中毒というと夏に多いイメージ(暑さで傷んだ食品を食べてしまう等)ですが、実は11月から3月の秋冬の時期に罹るノロウイルス食中毒(非細菌性)が一番患者数が多い食中毒です。

ノロウイルスは毎年流行する食中毒・感染症です。ノロウイルスに関する正しい知識と対処法を知って感染を未然に防ぎましょう。

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ノロウイルスとは

ノロウイルスは1968年に集団発生した急性胃腸炎の患者のふん便から初めて検出され、直径約30~40nmとウイルスの中でも小さく、球形をしていたことから「小型球形ウイルス」と呼称していました。ノロウイルスには遺伝子群が複数みられ、ヒトの感染症や食中毒から検出されるノロウイルスの大半はGIとGIIに属しています。
GIおよびGIIの各遺伝子群は,それぞれ少なくても14種類(GI/1~GI/14),21種類(GII/1~GII/21)の遺伝子型に分類されており、近年流行しているノロウイルスは遺伝子型GII/4に属しています。 ノロウイルスに対するワクチンについては現在研究開発段階であり、実用化には至っていません。

ノロウイルス食中毒の患者数(発生状況)

ノロウイルスは飲食店や病院等で集団発生する機会が多く事件数は214件に対して患者数が8,496名となっています。集団発生が多い理由として、嘔吐物の処理時にウイルスが空気中に飛散してそこにいる多くの人がウイルスを吸い込み感染が拡大してしまいます。患者は11月から増え始め1月・2月が患者数がピークになっています(2017年) 世界の患者数は6億8500万人にのぼり、約2億人が5歳未満の子どもでそのほとんどが発展途上国であり毎年推定50,000人の子どもが亡くなっています。 抵抗力の弱い子どもやお年寄りには注意が必要です。

ノロウイルスの感染経路

ノロウイルスの感染経路は経口感染ですが、細分化すると次のように分類できます。

食品媒介感染(食中毒)

ウイルスに汚染されたカキなどの二枚貝を生または加熱が十分でない状態で食べた場合
ノロウイルスに感染した調理者を介して食品が提供された場合、その食品を食べて感染する→飲食店の場合集団感染につながる

接触感染

感染者のふん便や嘔吐物に触れて手指等を介してウイルスが口から入った場合

飛沫感染

感染者の嘔吐物やふん便の処理が不十分で、床に残った未処理物が乾燥してチリやほこりとなり空気中に舞い上がったものが口から入った場合→幼稚園や病院施設での集団感染につながる

ノロウイルス食中毒の症状

感染してから症状が出るまで24〜48時間かかります。症状としては、悪心・嘔吐・水様性下痢・腹痛があり、発熱は37〜38℃と軽度です。これらの症状は1〜2日続いたあと治癒します。症状が無くなってからも1週間ほどふん便中にウイルスが存在するので注意が必要です。

予防するには

触ったものにウイルスが付着している可能性があるのでこまめに手洗いを行いましょう。
カキなどの二枚貝を食べるときは食前加熱を行いましょう。
飲食店に勤める人は衛生管理、健康管理に十分気をつけましょう。
調理器具などは次亜塩素酸ナトリウムによる消毒しましょう。
病院施設などでは二次感染を防ぐためにマスク着用がおすすめです。
寝る前にお風呂に入る習慣の人は冬の時期は早めにお風呂に入って体を洗う方がいいかもしれません。

治療方法

現在有効な抗ウイルス剤はありません。嘔吐や下痢で脱水症状を起こしやすいので、水分補給・栄養補給が重要です。症状が重症の場合、病院で輸液を行うなどの治療が必要となります。

さいごに

ノロウイルスに関することを紹介してきましたが、完全に食中毒を防ぐことはできませんが正しい知識があれば未然に防ぐことはできます。また、ウイルスは経口感染するだけですので、患者に触れたりしゃべるだけでは感染するものではありません。最近はツイッターなどで誤った情報が拡散されて人権侵害や名誉毀損といった事案も発生しているので注意が必要ですね。
周りに小さい子どもやお年寄りがいる方はノロウイルスの感染によって重症化しやすいので厳重な予防対策をすることをおすすめします。

参考  ノロウイルスに関するQ&A(厚生労働省)
 ノロウイルスに関連情報(国立医薬品食品衛生研究所)